lotus column 執着の罠 by Shouko
what's new

 私たちは、人間中心主義に囚われたまま、豊かな生活を求めてはいないだろうか。経済的には発展しても、その中で生きる喜びを実感してきただろうか。

 科学優先・技術万能・合理主義に偏った社会では利己主義が横行し、凶悪犯罪が増加している昨今。このままでは、人類は自滅の一途をたどっていくだろう。

 仏教では、それらの原因として貪欲(とんよく)・瞋恚(しんに)・愚痴(ぐち)の「三毒」をあげている。

 見るものや聞くもの、美味しいもの、財産・地位・名誉……。貪欲=むさぼりには際限がない。そこには絶えず奪い合いと争いが起こり、瞋恚=怒りと憎しみが伴う。なぜなら愚痴=無知がために、物事の道理を知ることができないからだ。

 人はなかなか自分が無知であることを認めたがらない生き物である。「相手より自分のほうが正しい」「相手より自分のほうが優れている」という執着を罠から抜け出すことは難しい。

 これを打開するために、三毒を凌駕(りょうが)する信心が必要なのだ。その信心とは、私たちがお釈迦さまの永遠にわたる実在を信じ、その導きを受けて活動すべき存在であると自覚すること。そうした法華経に説かれる慈悲の精神こそ、今の世に求められている。

what's newdiscourseseasontalesideadownloadlinkmyoabout "myo"site mapNOEC

HOME

Since 1999, Nichiren-shu Osaka Enlightenment Center. All teachings are opening up.