「ゴメンッ!」「ありがとう!」「お願いっ!」
これら三つの言葉に込められた、強い思いを表す「!」に注目したい。心の底からこうした言葉を発する時、「!」の所で思わず手を合わせることがある。
仏教が日本に伝わって間もなく千五百年。合掌は、すでに多くの日本人の遺伝子に刻み込まれているように思われる。昨今の暗い世相を明るくする最後の合い言葉が、この「合掌」ではないだろうか。
「怨んだ者は怨まれる」
「憎んだ者は憎まれる」
「妬んだ者は妬まれる」
「拝んだ者は拝まれる」
仏教の基本、因果の道理を端的に示す言葉だが、やはりここにも合掌の姿が説かれている。そんな心を忘れた人々のことを、お釈迦さまは「本心を失える者」とおっしゃったのだろう。
自身が合掌の心を持つだけではなく、それを伝えられる人を造りたいと念願している。
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