人生という二文字を、どの様に理解して読むべきだろうか。これには、少なくとも四種類の読み方ができる。
一、人として生まれる。このことは簡単なようだが、生命の誕生は尊く、人の身を受けた事実は非常に大切なことだ。
二、人として生きる。つまり人は人として、人間社会の中で生きていかねばならない。
三、人として生かされて生きる。物心がつくまでは、父親や母親、家族に支えられてきたことは誰もが認めるだろう。しかし、自活するようになれば、人として生かされていることを忘れてしまいがちだ。感謝の心はどこにいってしまうのだろう。
でも、ほんとうに大事な読み方とは……
四、人として生かして生きる人間になる、と読むことではないだろうか。
両親、師匠(先生)、主人、社会に恩を受けっぱなしの人生ではなく、感謝の気持ちをもって恩に報いる、すなわち「報恩」が大切であると仏教は説いている。これを実行することが、人生で成すべき次世代へのアプローチである。
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