先人の言葉によれば「賢者は歴史に学び、愚者は経験に従う」そうだ。なるほど、一個人の経験などというものは、わずか数十年から百年に過ぎない。
ところが歴史を繙(ひもと)きそれに学べば、先人が経験した様々な事象を知ることができる。さらにはそこから、多くの教訓を学んで生かすことができる。
さて愚者は、失敗を恐れ失敗を糧とすることができない。そして、歴史に対すればごくわずかな微塵ほどでしかない過去の体験を、至宝と錯覚する。故にその中のごくわずかな成功体験に酔い、そして溺れ、万策それが通用すると考え、いつ何時であってもその成功体験を繰り返し、やがては破綻(はたん)してしまう。
「失敗は成功の基」とはよく聞く言葉だが、先人に従えば「成功は失敗の基」になることも間々あるようだ。
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