lotus column 草木成仏 by Seikei
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 この春、花壇に草木の植え付けをした。土選びから苗の選定、育て方など、植え付けるまで思った以上に時間がかかった。

 植物によって水や肥料の分量に違いがあることを知り、考えてみれば当たり前のことだが、皆それぞれに個性があって、大きな自然の中で生かされている存在なのだと、改めて気づかされる毎日だ。

 日蓮聖人の御遺文に、このようなお言葉がある。

「春の時来りて風雨の緑に値いぬれば、無心の草木も皆悉(ことごと)く萌え出生して、華敷き栄えて世に値う気色なり。秋の時に至りて月光の緑に値いぬれば、草木皆悉く実成熟して一切の有情を養育し、寿命を続き長養し、終(つい)に成仏の徳用を顕(あらわ)す。之を疑い之を信じざる人有る可しや。無心の草木すら、猶以(なおも)て是くの如し。何(いか)に況(いわ)や人倫に於てや」

 ここには、植物だけでなく動物など、生きているすべてのものと共存していく大事さを説いておられるように思う。

 私たち人間は毎日、植物や動物の命を頂かなければ生きていけない。人間だけが栄えることはあり得ないのだが、ついそのことを忘れてしまいがちである。私たちの成仏は、人と関係し合っている有情非情のものも成仏することによって成り立ち、成就するものなのだ。

 日蓮聖人は、仏教に説かれる「草木成仏」から、そのことをお教え下さっているのだと、植物を育ていて実感できるようになった。

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