lotus column |依存と自立 by Chijo
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 縁あって「薬物依存の実態と更正への道」という講演を拝聴する機会を得た。これは何も裏社会の話に留まらない。共通のレジャーを楽しむコミュニティ、あるいは子供であっても、身近なところに覚せい剤や大麻の誘惑が潜む。

 薬物の乱用は心身の自律を奪うと共に、社会的自立の機会をも遠ざけてしまい、更正を困難にするという。つまるところ悪の根源は、薬物に限らず、人や物に依存することで不安を埋めようとする自身の心にあるようだ。

 何かに依存することで自分の存在を保とうとする心理。短絡的に不安を取り除こうとする弱い心が邪念を生み、引いては人の道を踏み外す例は枚挙に遑(いとま)が無い。

 しかし、そんな危うい心をむしろアンテナにして、互いに共感し成長し合える力を発揮できるのも人間だ。心の中にある仏の世界が煩悩を具(そな)え、かつ統率し得ると法華経に説かれるように。

 人が更正するには、冷静な共感と慈悲をもって、常に関わってくれる存在が必要となるだろう。これこそ本来の親の在るべき姿であり「仏とは何か?」の説明にもなる。

 たとえ時間を要しても、必ずや誰もが「安心」という強さを身に付けることができるという、信念を失ってはならない。

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