毎年、日本人の四千人に一人が自ら命を絶っている。事故死や病死にカウントされたものを除いても、三千人に一人、あるいは二千人に一人が自ら命を絶っている可能性さえある恐ろしい世の中だ。
この世で起きたことは、この世で必ず解決しなくてはならない。にもかかわらず、自殺する人が増え続けている現実には、空しさを禁じ得ない。
お釈迦さまは「この世以外に別の世界を想定するのは、私の真意ではない。この世はそのまま仏の世界である」とおっしゃっている。『娑婆即寂光』というのがその言葉だ。
さあ、みんなで手を取り合って、この世をそのまま仏さまの世界にする努力を始めよう。
宮澤賢治さんの最も短い童話『チュンセ ポーセの手紙』では、この努力のことを「大きな勇気」と表現している。今必要なのは、大きな悲しみを取り除いて行くための、大きな勇気なのだ。
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