lotus column |チャンスロス by Eyu
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 ビジネス用語に「チャンスロス」という言葉がある。日本語では「機会損失」、つまり良い機会を失ってしまうことをいう。

 例えば、とあるスーパーでお弁当の店頭販売を行なったとする。お弁当の目標販売数は百個、販売時間はお昼どきの正午から午後一時。そしてこのお弁当が十二時半に完売した場合、チャンスロスが生まれるのである。これはどういうことか。一方では完売という形で目標を達成したようにも思えるが、ビジネスの世界ではそうは言っていられない。もう一方の見方、残り三十分で販売出来るお弁当を仕入れていないミスがあったと見るのである。

 このチャンスロスを自分の生活に当てて考えてみる。私はお寺の副住職として日々働いている。お寺の仕事といえば、法事やお参り、お寺の掃除や会計の書類整理等……。仕事に追われる毎日ではあるが、お寺やお檀家さんのために働くことは大事であり、成すべきことを成す充実感を日々感じている。しかし仏さまの御教えにふれると気付かされることがある。自分が犯しているチャンスロスというミスに。

 仏さまは私たちの成すべきは「仏身」であると説かれている。仏身とは仏さまのお身体、つまり私たちの身体も仏さまと同じように、世界の幸福のために働く力を持っており、その力を発揮することこそが私たちの仕事であると。

 仏さまのお声に耳を傾けると、私は目先の成果に囚われて、尊い時間とこの身体のチャンスロスを生んでいるのではないかと考えさせられる。今年こそはチャンスロスを無くそうという想いを胸に懐きながら、今も〆切間近の原稿を書いている。

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