益田ミリさんの漫画の中で、主人公が「誕生日って、私の両親が、わたしにわたしをプレゼントしてくれた日なんだよね〜」というフレーズがあった。筆者の流儀で言うと「命のリレーの記念日」ということになる。
私の両親は二人、両親の両親は四人、そのまた両親つまり私の曾祖父母は八人。昭和の始め頃には八人とも存命であっただろうし、私の両親にとっては祖父母にあたるから、その名前は知っているはずだ。しかし私は、その内三人の名前しか知らない。あと五人のひいじいちゃん、ひいばあちゃん、本当にゴメンナサイ。
そんな私も命のバトンを握りしめ、一生懸命に命のリレーのトラックを走っている。顔見知りのランナーから、それ以前の名前も知らない無数のランナー達に至るまで、みんなに「命のバトン、確かに受け継いでますよ!」と告げること。それが「先祖代々」という言葉なのだと、彼岸を前にしてそう思った。
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