lotus column 鬼女 by Chijo
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 近頃、インターネットで鬼女という言葉をよく目にする。既婚女性を略した既女(きじょ)から連想する言葉遊びだ。

 夫や姑に対する愚痴から、ご近所さんや飲食店の店員・芸能人に至るまで、多種多様な相手に対する不満の数々。ひとたび彼女達の怒りに火がつけば、鬼のような執拗さで見知らぬ相手の個人情報まで調べ上げ、ネットに公開するといった制裁を加えることもある。もちろん正義の名の下に私刑を断行するのは女性に限った話ではないが、女性の場合はその麗しい外面と内面とのギャップが際立つ。

 かつてインドのハーリティという女神は、人間の子をさらい食らっていた。そこでお釈迦様は、千人に及ぶ彼女の子の中から末っ子一人を隠された。彼女は半狂乱になり世界中を探し回るが見つからず、お釈迦様に助けを請う。我が子を失う悲しみを身をもって知った彼女は、お釈迦様に諭され二度と人の子をさらわなくなった。そして仏教と子供の守護を誓い、鬼子母神として信仰されることになる。

 正義も情愛も自分だけが持っているものではない。私たちもまた、執着の牙をむく鬼になってはいないだろうか。

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