lotus column 表裏一体 by Chijo
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 ケーキや洋菓子、ペコちゃんのキャラクターでなじみのある「不二家」。実はこの社名、創業者・藤井林右衛門氏の姓と、日本のシンボル・富士山から名付けられたそうだ。さらに不二の字には「二つとない存在に」という願いと気概が込められているという。ただし、それだと無比・無類を意味する「無二」という言葉が当てはまる。

 仏教で説く不二とは、相反する二つのことを、一つの両面ととらえる見方である。例えば一枚の紙の片面を表とするからこそ、もう一面が裏となるだけで、本来そこに区別は無い。悟りと煩悩、善と悪。人は両方の可能性を持ちつつ、一方が表となり裏となる。

 インドから北へ、ヒマラヤ山脈と巨大なタクラマカン砂漠を超えた所に、亀茲(きじ)という都市国家がある。その昔、鳩摩羅什(くまらじゅう)という天賦の才能を持つ僧が現れ、その名声は中国の都・長安にまで届いた。時の王は軍勢を差し向け彼を強奪するが、途中で立ち往生し十八年間も拉致される。しかしその年月があればこそ彼は漢語に熟達し、軍勢によって運ばれた膨大な経典が、後に流暢かつ理解し易い中国語に翻訳されるのである。

 お釈迦様が未来を救うため願いを込めた最上の教えも、鳩摩羅什が中心となり約二千人の僧によって『妙法蓮華経』に訳出され、無比の名訳として今に伝わる。理不尽な歴史の一面が、聖なる結果をもたらしたのだ。

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