自在生活ノススメ |子殺し by Ufo

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 暗澹(あんたん)とした気持ちになる。保険金目当てに、我が子を殺した母親がいるそうな。

 いつのころからか、コインロッカーの中に捨てられる子や、パチンコ屋の駐車場の車で死ぬ子が増えた。多分、大昔から「子殺し」はあったのだろうが、自らの楽しみのために、我が子を殺すようなことが、そうそうあったとは思えない。

 話はかわるが、ハツカネズミでの実験によると、過密状態になると、餌(えさ)が十分にあっても共食いや子殺しが見られるそうだ。ハツカネズミに尋ねてみないと判らないが、もっとも尋ねても教えてくれないだろうが、彼らが楽しみのために子殺しをするとは考えられない。

 学者によれば、子孫を残し分布を広げるためには、一定の面積が必要で、それを確保できなくなるとストレスが生じるのだそうだ。それでノイローゼのようになり、子殺しも始まるものらしい。

 餌の量ではなく、面積でプログラムされているところが奇妙と言えば奇妙だが、自然界ではそのほうが確実なのだろう。

 翻(ひるがえ)って我々人類はと考えると、「生産と交易」という手段を発明して、地球史上空前といえるほどの大成功をおさめたが、子殺し・同属殺しは「付きもの」と言わねばならないほどだ。しかも、それほど必要とは思えない場合でもやっている。

 我々人類と他の動物を区別する基準は、「考える」ことにあるのではなく、「同属で頻繁(ひんぱん)に殺し合う」ことにある、と言っても過言ではないような状態だ。

 しかし他方では、それらを避ける手段もいろいろに考え出している。その手段を信じて生きていたいのだが、それを利用して金儲けや人殺しをする輩が現れたりするから、話がややこしい。

 宗教などはその典型ではなかろうか。自分は宗教嫌いだと称する人の言い分を聞くと、宗教が戦争を引き起こしたり、宗教家が殺人をしたりするから、というのがある。「仏教」を標榜(ひょうぼう)する一教団が、無差別殺人に走った事件の記憶もいまだ新しい。

 確かに、ハツカネズミのように、全体の存続が危ぶまれるからという理由は成り立たない。いやはや人間というやつは……と言いたくなる。

 それでも「悟りを開けばこの世は浄土だ」というのが、釈尊(しゃくそん)の御教えだ。お会式(えしき=日蓮聖人の御入滅法要)をしおに、よく噛(か)み締(し)めてみよう。

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