自在生活ノススメ |心の日本刀 by Ryuse

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 世界には、西洋の騎士が持つ洋刀や中国に古くから伝わる青龍刀、中東あたりで使用されていたサーベル等、様々な刀剣があります。そして、中でも特に切れ味が鋭いと言われているのが日本刀です。

 日本刀は刃渡りに波模様があり、その美しさから国内外を問わずコレクターが大勢います。また、日本の鎧(よろい)も刀と同じく多くの人々の心を捕えています。

 では、なぜそこまで注目を集めるのでしょうか。それは、美術品・骨董品としての価値以外に、そこに宿る日本人の心や侍魂によるものだと思うのです。

 日本刀だけではなく、日本古来の文化も海外から注目されています。時代劇や大河ドラマも根強い人気があり、演技の特徴や歴史上の人物のカリスマ性もあるでしょうが、現代人が忘れかけている日本古来の良き風習や心に触れることができるというのも、大きな魅力で人気の要因の一つでしょう。

 日本の幕末を舞台としたハリウッド映画『ラストサムライ』が世界でヒットしている頃、私の友人がカナダに留学しており、武士に対する良いイメージをカナダ出身の同級生にきいたところ「忍耐強そう」「恩を絶対に忘れない」「武士としての誇りを強く持っている」等が挙げられたそうです。これらは昔、多くの日本人が持っていた心だと思います。

 しかし、現代ではこうした心が失われつつあるのではないでしょうか。刃物は日々研いで手入れをすることで、その切れ味と美しさを維持します。鎧も同じで、手入れを怠ると錆びてしまい防具としての性能を失ってしまいます。人の心も、手入れを怠って磨かずにいるとすさんで錆びてしまい、美しさも失われてしまうでしょう。

 現在の日本では悲惨な犯罪が日々増加しており、テレビでもあまり良いニュースを見ることはありません。特に凶悪犯罪が増加し、毎日のように殺人事件の報道が流れているように感じます。

 私たちは、刀を磨き続けたかつての武士としての心、言い換えるならば、心を磨き続ける人間としての心を忘れているように思えます。古い時代に生きた武士の姿が、文明社会といわれる現代においても人々の心を打って止まないのは、武士としての誇りを決して忘れなかった姿勢に、私たちが魅せられるからなのでしょう。

 私たちに必要なのは、この素晴らしき日本の伝統である武士道に学び、人間としての誇りを堅持することではないでしょうか。それは、私たちの誰もが尊い仏の子として、お釈迦さまの大慈悲をお伝えする役割を担っていることにも通じます。そのことを常に自覚し、日蓮聖人のお説きになられた「南無妙法蓮華経」のお題目をお唱えして、人にも自覚を促す姿勢が大切なのです。

 武士といえば有名な「いざ鎌倉」ならぬ「いざお題目」が、私たちの合い言葉と言えるでしょう。


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