のほほん評判記 |心のウサが晴れる本 by Chijo

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のほほん評判記

image 著者/斉藤茂太
発行/PHP文庫
価格/490円

 仕事、人付き合い、夫婦、親子……。世の中がどんどん便利で豊かになっていく反面、対人関係でストレスに陥(おちい)る人達がどれだけ増えていることか。会社や家庭、そして学校においても、細分化されてそれぞれの小さな社会の中で、年齢・性別を問わず人の悩みは尽きる事がない。

 心の「憂(う)さ」とはいわゆる「気持ちが晴れない」「心が満たされない」状態であり、人によってはそれが劣等感や孤独感、はたまた嫉妬(しっと)心だったりする。本書はその「憂さ」の原因と正面から向き合い、そこから飛び立つ具体策を、極めて明るく親近感を持って読ませてくれる、文字通り「ウサ晴らし」のための本なのだ。

 著者はある学者の言葉を引用してこう述べている。

「われわれは大きな苦難にあうと『とても解決できない』と思うが、実はこれは大変な間違いである。というのも、実は自分で解決できないことは、自分の身の上に起こってこないものだからだ。要は苦難に立ち向かうか逃げ腰になるかの違いなのである」

 これぞまさしく日蓮聖人の、ご生涯を通した姿勢に通じるものではないだろうか。自分の身にふりかかる度々の大難小難を経文に照らし合わせ、正しい教えを流布しようとするからこその障害と認識することで、聖人は苦難を勇気と自信へと転換させていったのだ。

 また本書はウソの効用についても言及している。「ただし、ウソを用いるには悪知恵では無く、根底に善良なる知恵がなければいけない」というくだりなどは、方便(ほうべん)をもって人々を導き、ついには本意の教え「法華経(ほけきょう)」へと帰着させたお釈迦(しゃか)さまの方策そのままである。

 優しく勇気づけられるような一冊なので、是非ご一読をおすすめする。

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