のほほん評判記 |脳内革命 by Chijo

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のほほん評判記

image 著者/春山茂雄
発行/サンマーク出版
価格/1600円

 前々回ご紹介した月刊誌『頓智(とんち)』が、早くも休刊となってしまった。創刊から数えて、その寿命はわずか10カ月。「邱永漢・大人の哲学」「楽して生きる道」「花も実もある本屋さん特集」「自分を探す哲学」等々…、知的好奇心をくすぐる魅力的な特集も数多くあった。グラビアや商品広告が紙面が賑わせる数多の雑誌とは、明らかに一線を画する切り口を持っていただけに残念。

 いま雑誌業界では、静かなるブームの如く休廃刊が相次いでいるそうだ。「アレもコレもやってまえーッ!」のバブルの波が静まるとともに、読者の選択の幅も狭まってきたというところか。ただしその選択眼が果たして信用出来得るものかどうかは、大いに疑問だろうけれど。

 とまあ、偉そうなことを言った矢先に、こんな160万部も売れてるような怪物本を紹介するのもナンですが、読んでみるとやっぱり面白い。いろいろと物議をかもした本だが、重々しいタイトルのわりに文体は優しく、内容は細かな段落に分けられているのでつまみ読みが出来る。そのうえ字も大きく読みやすい。最近売れている本の傾向をはずしていないという訳だ。

 しかし軒並み乱発されている自己啓発(けいはつ)や健康管理に関する山積みの本の中でも、有名人でもない著者によるこの本が、どうしてこんなに突出(とっしゅつ)した売れ方をしたのだろう。それはおそらくバブル崩壊後の購買者の嗜好(しこう)に、先にも述べたような選択肢の狭小化(きょうしょうか)が影響を及ぼし、結果、一つの物に多数の要素が含まれた、いわば「一石二鳥」的な商品が選ばれる傾向が、顕著(けんちょ)になったためではないかと考えられる。

 つまりこの本には、いわゆる「前向き思考」という自己啓発の重要さを、医学的根拠(?)を持ち出すことで納得へ導き、同時に誰もが他人事ではない現代病の解明と対処法もが具体的に説明されているという、極めてコンビニエンスで実用的内容に仕上っているのだ。

 でも実は単に、力強い装丁(そうてい)が購買意欲をそそるだけだったりして。

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