のほほん評判記 |いつのまにか私も「婆あ」 by Chijo

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UFO通信

のほほん評判記

image 著者/門野晴子
発行/講談社
価格/1,575円

 関西のお坊さんは、檀家(だんか)の家へ毎月お参りに出かける(人が多い)。各々の家で待っているお檀家さんのほとんどは、「おじいさん、おばあさん」と呼ばれる人。当然、一病息災(いちびょうそくさい)というか十病息災というか、足だの腰だの血圧だのって、とにかく何かの病と共にお暮らしだ。病院通いと山のような薬にうんざりしながらも、お坊さんと一緒にお経を読むときは元気いっぱい!そんな人はまだいい。だけど「早くお迎えに来てほしい」なんてセリフを聞いた日にゃ、お坊さんだって切ない。愚痴(ぐち)っぽく言おうが、悟(さと)りきった表情でおだやかに言おうが、そんなセリフは誰だって聞きたくはない。

 我々は子供の頃「子供には分からない」とか「大人になったら分かるよ」なんてことを、大人から言われたもんだ。そしてその言葉通り、いろんな経験をへて始めて分かることがたくさんあった。と同時に、いくら大人と呼ばれる年齢に達しようとも、知識と経験がともなわなけりゃ、いつまでたっても「分からない」ことがあることも分かった。「老い」についてもまたしかり、だろう。

 若い人から見れば、中年の人達は誰しも自分たちの未来予想図であり、中年の人にとってのお年寄りもそうだ。「こんなおじさんになりたくないよ〜」と思われる人もいれば、「こんな風に歳をとりたいな」と思わせる人もいる。もちろん明日やあさっても未来だからね。だからこの度ご紹介する本は、お年寄りにとっても、一つの未来予想図なわけだ。

 あまりに時代の変化が激しくて、自分たちの知識や経験が次の世代に通用しにくい。確かにそう。けど、時代に左右されない普遍的(ふへんてき)な考え方も、ちゃんと存在する。普遍ってことは「変わらない」ってことだから、未来だけじゃなく、過去からもずっと同じだったってこと。つまりいくら時代が変わろうが、お年寄りが若い世代に伝えるべきものも必ずあるはずだし、それが一番大事なことなんよ。

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