のほほん評判記 |法華経を生きる by Chijo

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のほほん評判記

image 著者/石原慎太郎
発行/幻冬社
価格/1,680円

 どうも政治家の書いた本はうさんクサそうに思える人もいるだろうが、ここは一つ素直な気持ちで読んでみよう。

 筆者は、かの石原裕次郎の兄としても有名人。若い頃は相当ムチャな遊びをしていたようだが、図らずも政治家を志すことになる。そして全国区の選挙に出馬する折、ひょんなことから法華系新興宗教教団「霊友会」の教主・小谷喜美に弟子入りしてしまったのだ。それで教主に直接教えを請うたり、自身も独学で法華経の勉強をし、このような本を書くまでに至ったというわけである。

 本書には「お題目」も日蓮聖人の「日」の字も出てこない。法華経を人が生きていく上で最高の指針となる「哲学書」としてとらえ、自身の豊富な体験にからませて、自分なりの法華経観をつづっている。だから、お坊さんにとっては実に憎々しい(?)内容なのではないだろうか。

 事実筆者はこんなことを書いている。

「お経には仏さまと、仏の説いた教えと、それを伝える僧侶であるお坊さんが『三宝(さんぼう)』と称されてはいるが、現今の大方の坊主の実体を眺めれば、人によっても違おうが総じてお坊さんを我々にとっての宝だと思う、思える人間なんぞあまりいはしまいに」

 お坊さん側から新興宗教団体を論じる場合、よく「言葉巧みに引き込まれ、お金を取られ、洗脳されてしまう」なんて言い方をされるが、実際はちょっと考えれば判りそうな、お粗末な教義と手法で引き込まれていることも多い。なのになぜ新興宗教に魅力を感じるのか。それは筆者の本音が教えてくれている。

「いい加減なプロに頼まず自分自身でたとえ下手でも心をこめて唱えて供養する方がよほど誠意が先祖にも通じるはずだ」

 仏教が先祖を供養するためだけのものならば、インテリたちは皆こう思うに違いない。まずは坊さんたちが本書を読んでおかないと、またもや大事な警鐘を聞きもらすことになるのではないか。

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