のほほん評判記 |
昔は「男は外へ出ると七人の敵がいる」とよく言ったものだが、今や男性ばかりでなく、女性や子供も外へ出ると、七人どころかそれ以上の敵がいる訳である。それぞれがストレスを抱えたまま家庭へ入ったら、どうなるだろう? イラダチや欲求不満にエネルギーを浪費せず、小さなことにくよくよしなくなると、家庭は喜びや楽しみ、愛情にあふれ、穏やかになる。するとその穏やかな感情は家族の一人ひとりに伝わって、家庭が安楽の源に感じられるのではないだろうか。 今回紹介するのは、前回紹介した「小さいことにくよくよするな!」の第2弾で、「まず、家族からはじめよう」である。前回は職場等を含めた、広い意味での人間関係であったのに対し、妻や子供、両親や兄弟といった、自分にとって身近な存在にどう対応していくかが書かれている。 『家族関係は社会の基盤となる人間関係であるから、これをおろそかにしていては外の人間関係もうまくいかないだろう』と、訳者の後書きにも書かれていたが、当にそのとおりである。家庭内の小さなことにくよくよしないコツを身に付けると、それが次第に大きな力となり、外の人間関係も自ずと良くなり、ストレスも減少されるであろう。 この本も前回同様100の項目に分かれており、カバンの中に入れて暇あるごとに少しずつ読むのもいいだろうし、一日一項目読むのもいいだろう。読んで少しでも自分に当てはまるものがあればそれを実践し、人生を優雅に過ごしたいものである。 最後に、この本の百項目めの題が「家族もまた、一期一会」である。これを見たとき、私は心の中から湧き上がってくるものを覚え、目頭が熱くなった。人に対しては「一期一会」だと説いているのに、身近な存在に対しては露(つゆ)思わなかった自分、当たり前となり忘れかけてた自分に、深く反省しております。家族の皆さんごめんなさい。 |