のほほん評判記 |
世界二大宗教の開祖といわれる、お釈迦さまとイエスキリスト。それぞれについての本は多いが、二人を比較して書かれているこの本は、他に類を見ないユニークな内容といえる。 洋の東西とでは文化が違う、土地が違う、ましてや二人の存在していた時代が違う。生存年数も大きく違い、性格もタイプも違う。にもかかわらず、二人は共通するところも多い。いったい何が違い、何が共通するのか?それは孤独・放棄・選択・自覚・迫害・奇蹟。これら六つのテーマにそって仏典と聖書をひもとき、歴史の中に生きた人間としてのお釈迦さまとイエスの比較がなされている。 本書の中で著者は述べている。 「なぜか…?釈迦とイエスを比較することによって、釈迦がなぜT仏陀Uにならねばならなかったのか、イエスがなぜTキリストUにならねばならなかったのか、その必然性が見えてくるかもしれない。わたしはそう期待している」 またそれによって、二人の教えである仏教とキリスト教の差が明瞭になろうとも述べられている。この本は宗教音痴とも言われる現代人にとって、一種の「宗教案内書」といえる。混迷の時代に生きる者への、一筋の光明になり得るのではないだろうか。 Tいざ往かん、思索への旅へU |