のほほん評判記 |
「地下二千由旬、縦横が八千由旬」 これだけでは、何のことだかさっぱり判らない。「由旬(ゆじゅん)」とは古代インドの長さの単位で、一由旬が約14.4km。前述の数字を計算すると、地下28,800km、縦横が115,200kmとなる。実はこれ、無間地獄(むけんじごく)の位置と広さのことなのだ。 対して極楽浄土(ごくらくじょうど)の方角は西方、距離は我々の住む娑婆世界(しゃばせかい)から一万億仏土の向こう側。「仏土(ぶつど)」は地球を含めた宇宙全体を指すことから、宇宙を一万億個並べたところに極楽があるということになる。 またお釈迦さまは「私が仏になって、百千万億那由多阿僧祇劫の時が経った」と説かれている。「那由多(なゆた)」「阿僧祇(あそうぎ)」「劫(こう)」とも、無数に近い単位だ。例えば劫は、縦横が一由旬ある大きな石の上に百年に一度だけ天女が舞い降り、衣の袖(そで)で石の表面をさっと払う。そうして石が摩滅(まめつ)してしまうまでの時間である。 逆に短い時間の単位に「須臾(しゅゆ)」と「刹那(せつな)」がある。須臾は一昼夜の1/30、計算すると48分。また刹那は須臾の1/3,600で0.8秒。ほんの瞬(またた)きの間だ。 ホーキング博士が、現代宇宙論に使用した天文学的数字とその説明は、実は驚くほど仏典に似ている。 |