のほほん評判記 |
この本は超オモシロイ。活字が苦手な人でもゼンゼン大丈夫。おまけに文庫だから、お値段の方もリーズナブルでグー!? どうも乱れた日本語で恐縮だが、反省する間もなく、乱れてしまう日常会話の悲しさ。正しい、正しくないは主観の違いにもよるし、方言の問題、あるいは新しいテクノロジーにまつわる造語や新語などを考えると、正しい日本語とは幻想のような気がする。 万葉(まんよう)の言葉と現代の日本語の間には、進化論のような変化の歴史がある。言葉は常に進化し、変化する。それは日本語が「色相(しきそう)の文字」に他ならないからである。 日本語は、これからも変化し続ける……。これは避けることのできない事実だが、日本語の特質である表記の多様さ、語彙(ごい)の多さ、言い回しの豊富さは、同時にその言葉を使う人の人柄を露呈(ろてい)し、また隠蔽(いんぺい)する。 本書の著者は、恐らくおおかたの日本人より日本語に堪能(たんのう)で、古典・歴史・文学などに精通し、その文化を心から敬愛している。 前置きが長くなったけれど、本書は硬い言葉を使いつつユーモラスな文章で書かれている。自分のことは見えにくいが、他人のことはよく見える。異文化の人に日本語のことを教えてもらうのも、また楽しい。 |