のほほん評判記 |十二支考(上・下巻) by Kaijo

想

小坊主のつぶやき

いつそば「観心の章」

いつそば「開目の章」

自在生活ノススメ

UFO通信

のほほん評判記

image 著者/南方熊楠
発行/岩波文庫
価格/上下巻 各760円

 ご存知のように龍とは、蛇体(じゃたい)で角(つの)があって、珠(たま)をつかみ中空を舞い、雲に昇って雨を降らし、池の主であり十二支(じゅうにし)のひとつ。昇り龍と下り龍があり、神聖な瑞獣(ずいじゅう)とされています。テレビ漫画・日本昔話のオープニングの龍を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

 日本人であれば、すぐイメージできる姿ですが、それはあくまでも全体像であって、細部にあっては龍には龍のルールがあります。

 まず鱗(うろこ)は、全部で81枚あります。ずいぶん半端な数ですが、龍は瑞獣ですから用いる数はオメデタイ陽数(奇数)で、陽数の極まった9の9乗=81という訳です。

 次に四本ある手肢(しゅし)の爪(つめ)ですが、中国では五爪(ごそう)、日本では三爪と不文律(ふぶんりつ)のように決まっています。五爪は皇帝の化身であるから。三爪は臣下の礼をとっているためという説や、日本には天皇がいるから、中国皇帝を表す五爪の龍を描かなかったとする説があります。

 なじみ深い干支(えと)であっても、それぞれの動物に宗教的な意味付けがあったり、占術的な象徴が秘められていたりと、興味の尽きないところです。本書はそういった知識の宝庫ではあるのですが、かなり学術的なところが唯一の難点かな……。

what's newdiscourseseasontalesideadownloadlinkmyoabout "myo"site mapNOEC

HOME

Since 1999, Nichiren-shu Osaka Enlightenment Center. All teachings are opening up.