のほほん評判記 |叡山の諸道 by Kaijo

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のほほん評判記

image 著者/司馬遼太郎
発行/朝日文庫
価格/420円

 最近、知り合いの真言宗の僧侶の読経を聞く機会がありました。しかし、どうも違和感があるのです。やがてその原因が判明しました。彼らはお経を漢音で読んでいたのです。

 弘法大師が請来(しょうらい)した密教経典は唐の時代の翻訳だったため、発音は漢音になりました。一方、それ以前に請来された経典に関しては、呉音(ごおん)で読経するのが暗黙の了解のようになっていました。

 ところが、比叡山は顕教(けんきょう)と密教の両方が講論されたので、固有名詞であっても漢音と呉音が同居している場合が多々あります。どういった基準で使い分けるのか感覚的に首肯(しゅこう)し難いところですが、あくまで伝統と習慣です。

 それは日蓮聖人が遊学されていた当時も同じで、聖人のご遺文を拝読すると、顕密の両方を研鑽されたことが分かります。新訳の密教経典については漢音で読まれていたことでしょうし、依経である法華経は呉音で読まれます。

 ということで、以前にも紹介しましたが、日本全国から世界各地を訪ねた筆者の鋭い洞察力により、様々な風景が追体験できる『街道をゆく』シリーズ(全四十三巻)です。本書は、日本仏教の母山と称される叡山の、歴史と風土に触れられる書です。

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