のほほん評判記 |仏教民俗学 by Kaijo

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のほほん評判記

image 著者/山折哲雄
発行/講談社学術文庫
価格/1,155円

 仏教学の側から民俗学を援用したり、民俗学の側から仏教学を遠望したりする類書はありますが、一つのテーマについて、両方のフィールド(分野)を自由に行き来する本書は、ありそうでなかった一冊です。

 日本固有の習俗、民間信仰と仏教の教義が複雑に習合(しゅうごう)したこの国の文化を理解するためには、両方の学問が必要だとする著者の信念には、素直に賛同できるでしょう。それは、まるでからまった二本のロープを解きほぐす作業に似ているからです。

 目次を抜粋して紹介しますと〈除夜〉〈節分〉〈彼岸〉〈花祭り〉〈お盆〉〈施餓鬼〉〈地獄〉〈極楽〉〈遺骨〉〈お墓〉といったテーマについて、民俗学が蓄積した現地調査の資料と、仏教学の豊富な文献を駆使して、歳時記のように解題していきます。いつとなく忘れられた季節の行事の本義や、日本人の心性にまでその考察は及び、近代化によって失われた物の多さを痛感させられることでしょう。

 内容が難しそうなタイトルと表紙の本書ですが、平易な文章に写真がたっぷり入っていますので、良質なドキュメンタリー番組を観るように、楽しんで読んでみて下さい。日蓮宗関係では、鬼子母神さまが写真入りで紹介されています。

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