UFO通信 |宇宙論・生命とミステリー by Ufo

想

小坊主のつぶやき

いつそば「観心の章」

いつそば「開目の章」

自在生活ノススメ

UFO通信

のほほん評判記

 「ホーキング宇宙を語る」がベストセラーに入った。いわゆる科学啓蒙書が大人気を博するのは、カール・セーガン博士の「コスモス」以来のことである。セーガン博士の場合はテレビ時代に相応しく、いかにも紳士然とした博士のナレーションで進行するテレビ番組は大好評であった。この番組にはホーキング博士も出ていて、難病と闘いながらの研究には、本当に頭が下がる思いがしたものである。はやりの言い方なら「今、宇宙論が面白い」と言ったところか。

 又、生命の起源論も盛んである。更に、天が二物も三物も与えてしまった楠田枝里子嬢の科学エッセイが、結構売れたりもしている。“枝里子嬢”とお呼びするにはチョット「トウ」が立っているかナ、という御年にしては、お若いのも楽しい。

 当節流行の宇宙論はビッグバン説であるが、以前は英国のF・ホイル博士達の「定常宇宙理論」なるものがあり、論争も華やかで面白かった、などと言えば叱られそうだが、どうせこちらは外野の気安さ、お許し願おう。

 ビッグバン説はおよそ百億乃至二百億年の昔、大きさの無い一点に集中していた宇宙の全物質が大爆発、つまりビッグバンを起こし、我々はその後の膨張過程に生まれたというものである。これに対し定常宇宙理論は、宇宙には始まりも終わりも無く、いつの時代も基本的には現在と変わらないとする考え方なのだが、膨張のメカニズムの一部、つまり「無から物質が生まれる」としたことが荒唐無稽(こうとうむけい)だと思われたことや、ビッグバン説が予言した背景電波が発見されたことなどにより、現在では主張する学者はいない。しかし私は「ビッグバン説」が何にでも第一原因を求めたがるユダヤ・キリスト教的なような気がして、余り好きでないのだが……。更に「ビックバン説」は、法華経の「無始無終の本仏」と相容れないような気もする。「定常宇宙理論」ではこれに対し、膨張しつつも一定の密度を保つ為に、「無から物質(有)が生まれる」と言う考え方があるのが面白い。エネルギーと物質の区別が無いのなら、「無」と「有」の区別も後一歩で無くなるような気もするのだが、そんな簡単なものではないのだろうか。

 それより、全宇宙の物質が一点に集中している状態はブラックホールだと思うのだが、光でさえ出て来れないブラックホールがなぜ膨張することができたのか、どなたか教えてくださる方は居られまいか。と思っていたら、ホーキング博士によると、ブラックホールもエネルギーを放出して結局は消滅するらしいし、この宇宙も大きさがゼロになることはなく、時間も無限であるそうな。但し、この時間は虚時間であると言う。正負の「負」でさえ解りにくいのに、実とか虚とか言われるとお手上げに近い。「有」と「無」や空」などというのも同じようなもので、宇宙論と言うのは難しいものだ。

 解らないことと言えば、生命についても解らないことだらけだ。一方で「物質が解れば生命も解る」とする考え方があれば、他方では「神がお造りになった」とする考え方もある。前者は自然科学者に多いのだが、すべてそうだと言うのではない。原子や分子が自然に集まってきて遺伝子や蛋白質(たんぱくしつ)を作り上げるという現象の確率を計算して、とてもビッグバン以来の百億年単位では間にあいそうもない、という結果を得た学者もいる。これが正しいとすれば、又、ビッグバン説を信ずれば、当然の事ながら地球以外に生命はなく、地球上の生命も奇跡だということになる。いかにもユダヤ・キリスト・イスラム教徒が喜びそうな結論で、意地の悪い見方をすれば、この奇跡がまずあって、それを導く為に確率計算したんちゃうか、と言いたくなる。しかし、これとて現在は奇跡と見えてはいても、何時か科学が解明するだろうと思わせるに足る実績が科学にはあることも事実で、現に有機物質だけで生命の起源を説明する理論の行き詰まりを、無機物質の結晶生成から説明しようとする理論も提出されている。更に言えば、奇跡と見えることも別の法、例えば仏法がすでに解明しているのかもしれない。

クリックで次のページへ

next

page 1 | 2


「UFO通信」バックナンバー

what's newdiscourseseasontalesideadownloadlinkmyoabout "myo"site mapNOEC

HOME

Since 1999, Nichiren-shu Osaka Enlightenment Center. All teachings are opening up.