UFO通信 |人類の危機が、今始まった by Ufo

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 前々回から二ケ月たった。時間の推移がとてつもなく早いこの頃のこと、拙僧のことなど大方忘れ去られているだろうが、どっこい世の中様々、拙僧は坊主のくせにけっこうシツコイのである。で、前々回書けなかったことから始めよう。

 ベルリンの壁がなくなったことが人類の危機をもう一つ増やした、と捉えるのは拙僧一人ではないと思うのだが、どういうわけかそれを言ったり書いたりする人がごく少ないらしく、とんとお目にかかれない。 唯一「共産主義の崩壊と言って喜んでばかりいられない。彼らは立派に自浄能力を発揮しているではないか。翻(ひるがえ)って我が政府は、行政改革一つ満足にできない自浄能力の無さを反省するべきではないか」という意味のことを、ある週刊誌で他誌からの引用記事として読んだぐらいである。これとて問題の力点は後半部にあるのであって、この程度ではおさまらない。

 凋落(ちょうらく)の一途をたどっていた英国が、サッチャー政権になってから随分と持ち直してきた理由については周知のとおり。税制の改革、累進課税の見なおし、つまり金持ちからとっていた税金を少なくしたことが、その一つとしてあげられている。要するに、自分で稼いだ金の処分について本人の自由度が増した、ということになり、このことで企業の活動が高まり、結果として税収も増えたとされている。ソ連や東欧の改革も、基本的にはサッチャー首相と同じことを目指していると言ってよい。言いかえるなら「自由主義万歳!」と喜んでいる人達は「自分達の欲望を、できるだけ他人に干渉されずに満足させることができるようになったのだ」と喜んでおられるわけである。

 一口に欲望と言った場合、何も金銭や物品に対するとは限らないのが普通なのであるが、ここでは、ほぼそれらに限られている点が危機の危機たる由縁でもある。(以前の共産圏に学問や芸術の自由が無かったことは事実だが、我が自由主義国日本にそれがあるかというと、はなはだ心もとない。芸術のことは知らないが、学問については事実上自由でない大学や学部・学科があったことは、かの大学紛争を見ても明らかであるし、以後も事態がまったく変わっていないことは、つい近年に東大の先生が辞めてしまったことでも明らかだ。更に言うなら、このことは「共産圏に学問の自由がない」と批判していた人達が一番よく知っていたはずだ)

 さて、金品に対する欲望に制限をつけないとどういう結果になるかは、誰しも簡単に予想がつく通り、いずれは人類の自滅ということになる。地球上のエネルギーに限りがあることは、石油ショック以来誰でもよく知っていることであるが、もう一度おさらいして見ると、地球上のエネルギーの総和は「1.太陽から光やその他(とはいえ光と類似)の形で受けるエネルギー」「2.地球が誕生したときから持っているエネルギー」「3.地球が誕生して以来貯えてきた太陽からのエネルギー」「4.極わずかではあるが隕石等のエネルギー」である。我々はこの中の最後だけはを除いたすべてを利用しており、主に三番目の石油等を利用している。つまり人間が作り出すエネルギーなど、どこにもないのである。単にエネルギーの形態を変えて利用しているに過ぎない。しかもエネルギーの変換には必ず損失がある。例えば火力発電であれば、石油のもつ化学エネルギーの六十パーセント余りは熱エネルギーとして放散され、電気エネルギーとして利用し得るのは三十パーセント程にしかならない。更に発電所を作ったりするのに別のエネルギーを使ったわけであるから、それらも計算に入れると、この比率はもっと下がる。更に更に、我々はこの電気エネルギーを光・熱・機械エネルギー等に変換して利用するのだが、その際にも損失があるのだから、もっともっと比率は低くなる。緻密に計算すれば、一桁のパーセンテージだって怪しいくらいなのである。

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