UFO通信 |議論を偽論で終わらせないために(1) by Ufo

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 我々の日常の会話を特に議論と言うことはあまりないことだが、しいて分類するとすれば、議論であることがけっこう多いようである。

 もちろん、単なる報告である場合もあるし、命令だけを言うのが大好きな人もいらっしゃる。

 或いは別の形を装っている場合もある。例えば、報告というか説明というか、要するに表向きにはそういう形をとりながら、命令しているようなこともある。受け取る側の反発を招かないようにという配慮であろうが、こうしたテクニックは見破られるとかえって反発が大きくなることもあり、むずかしいところである。

 今回は、そういうことではなくて、議論について少し書いてみようと思う。

 会議の場などで、なかなか議論が円滑に運ばない、何度も同じところを行ったり来たり、というようなことがある。どこに原因があるのだろうか。毎回そうなのだが、今回も又々無いチエをしぼってみたのが以下のようなものである。

 先ず言葉の定義がはっきりしない場合というのがある。定義といえば、むずかしいように思われるかも知れないが、要するに、議論に参加している者の間で、用語の意味の範囲が各人各様であることに、原因がある場合のことを言っているのである。

 言葉の意味の範囲というものは、常に揺れ動いているものでもあるし、また世の多くの人達が了解している意味の範囲と、個々人が了解している意味の範囲とが異なる場合もある。更に言えば、各人がある用語の意味をどう記憶し、どう理解しているか、つまりはどういう経験を積んで来たかで、各人各様である場合もあるだろう。

 またそもそも言葉というものは、あるものとそうでないものを分ける、という機能が主たる機能であって、したがって以前にも書いたように、物事を二つに分類することの困難さを考えれば、各人各様の了解があってあたりまえなのである。

 では、どうすれば良いのか?できるだけ定義をはっきりさせることである。

 これは、それ程むずかしいことではない。『定義』というのは要するに『約束事』なのだから、『約束の内容』をはっきりすれば良いのである。

 極端に言うなら、『その場限りの約束事』でもかまわないし、その『組織内だけの約束事』でもかまわない。世間に通用している定義、意味の範囲というのは、言わば『世間の約束事』であって、それに従うか否かは、時と場合による。多くは従う方が便利であるし、摩擦も少ないから従っているわけで、従わなければどうなるかは、はっきりしている。

 ある組織に「隠語」があるとして、それを自在に使いこなせる事が、その組織成員として認められる要件の一つであることは、周知の通りである。このことから考えると『世間の約束事』に従わなければ排除される危険性が大きい、ということになる。実際に排除されてしまうか否かは、他の要因もからんでくるから、一概にどうということは言えないが……。

 ただ世間で通用している定義・意味と余りかけ離れた定義にすると不便なことがあるので、多くは世間で通用している定義に添った意味を持たせることになるようではある。またどうしても適切な言葉が見つからない場合は、新語を造っても良い。会議を円滑に運ぶためには、せめて重要な用語については以上のような作業が必要であろうと思う。これをしないと時々見かけるように、ある言葉の回りをどうどうめぐりしたり、議論が噛(か)みあわなくなったり、ということになる。

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