いつそば「我聞の章」 |第30話「四つの心得」 by Shougyo
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仏さまのこばなし

いつそば「我聞の章」

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 私の名は阿難(あなん)。お釈迦さまが織りなす光と風の世界の旅も、間もなく終わりを告げようとしている。そんな中、普賢菩薩さまが「もう一度この教えをひと言でお説き下さい」と願われた。尊きお師匠さまのお答えは、ひと言で言えば「南無妙法蓮華経」のお題目を広めなさいということだ。

 お師匠さまは、そのことを四つに分けてお答えになった。

 一つ目に、永遠の寿命をもって私たちを導いて下さるお師匠さまの存在を信じ尊ぶ者は、お師匠さまご自身や多宝如来、また三世十方の仏さまによって護られているということ。なぜなら、それら仏さま方のお心の内はみなお題目で表すことができ、言うなれば「本門の本尊」すなわち根本の仏さまのお心だということだ。

 二つ目に、諸々の徳本を植えなさいとおっしゃった。徳本とは、お師匠さまが始めの無い過去より悟り、永遠に導き続けておられる功徳のこと。それは「南無妙法蓮華経」という「本門の題目」にすべて備わっているから、素直に信じて広めよということだ。

 三つ目に、お題目を広めるに当たっては、決して退かない心を持ちなさいということ。お師匠さまは、このことを「正定聚(しょうじょうじゅ)に入る」と表現された。いつでもお師匠さまの導きを信じ、決して退かずに法を広め続けることは、最も重要な戒めであるから「本門の戒壇」という。

 そして、これら三つすべてを人々にお伝えすることが、四つ目の「衆生を救う心」であるとお説き下さった。

 尊きお師匠さまより、末法の時代に全権大使として遣わされた日蓮聖人。聖人は自分を磨くためではなく、人に法を勧めることが自らの修行であり、これこそお題目を修行することであると宣言された。この宣言は、すべての生き物をして自分と等しく尊い存在にさせようという、お師匠さまのお言葉を実現するための誓いに他ならない。

 普賢菩薩さまの問いに対する「諸仏に護念せられる」「諸々の徳本を植える」「正定聚に入る」という三つのお言葉。これらを末法において正しく実行するためには、日蓮聖人よる「三大秘法」すなわち本門の本尊・本門の題目・本門の戒壇という大切なご教示を受け止めねばならない。そして、お師匠さまの永遠の悟りと救いが込められている三大秘法を、末法の人々が頂きたいと願うならば、これを自身が理解するのみならず、まわりの人々にも伝えていくこと=衆生を救う心を実行に移さなければならない。

 この教えを有り難く頂戴したお弟子を初め菩薩さまや神々は、心から尊きお師匠さまを礼拝してその座を立ち去られた。こうして光と風の世界の旅は、ついに終わりを迎えたのだ。

妙法蓮華経「普賢菩薩勧発品第二十八」より/つづく)

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