仏さまのこばなし |雪山童子 by Kansho
話

仏さまのこばなし

いつそば「我聞の章」

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ウッキ〜くん

妙ちゃん

グリトラクータ童話

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 昔々、いつも真実の法を求め続け、それを人々に広めることを願っていた雪山童子(せっせんどうじ)という名の少年がおりました。

 ある日、童子が山中で修行をしていると、恐ろしい姿をした食人鬼が、不思議な詩を唱えているのを耳にしたのです。

「諸行無常 是生滅法(しょぎょうむじょう ぜしょうめっぽう=この世に在るものはすべて移ろいゆき、変わらぬものは何も無い。生じたものは必ず滅していくことが、本来の道理である)」

 それを聞いた童子はいてもたってもいられずに、鬼の前に進み出て、詩の続きを唱えてくれるよう頼みました。しかしその鬼は空腹であったので、童子を食べることと引き替えになら、続きを教えると答えたのです。

 童子が約束を守ることを誓うと、鬼は再び詩を唱えました。

「生滅滅已 寂滅為楽(しょうめつめっち じゃくめついらく=生じることや滅することの苦しみから離れ、心が静まっていることが安らぎなのである)」

 童子は大いに喜んで、この詩を多くの人に伝えるため岩に刻み込むと、約束通り鬼の口に身を投げました。すると鬼の姿はたちまち帝釈天(たいしゃくてん)という神様に変わり、童子を空中で受け止めるとうやうやしく地上に降ろし、礼拝(らいはい)したのでした。

 この雪山童子こそ、お釈迦(しゃか)さまの過去世のお姿なのです。

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