仏さまのこばなし |三車火宅 by Kansho
話

仏さまのこばなし

いつそば「我聞の章」

やさしい法華経物語

ウッキ〜くん

妙ちゃん

グリトラクータ童話

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 これは法華経(ほけきょう)に説かれる七つのたとえ話の中の、最初のお話です。

 昔あるところに年老いた長老がおりました。長老の屋敷は広大でしたが、たいそう古くて、今にも崩れ落ちそうな危ない家でした。この長者のたくさんの子供たちはそんなこととは知らず、家の中で嬉々(きき)として戯(たわむ)れていたのです。

 そんな時、家の中で火災が起き、四方から火の手が上がり、一刻も早く家から脱出しなければ死んでしまうという事態になってしまいました。逃げ道には狭くて小さな門が一つあるだけです。でも子供たちは、平気で遊びに夢中でした。長者は皆に早く逃げるように叫びましたが、まったく効果がありません。そこで子供たちを一人残らず助けるために、長者は一計(いっけい)を案じて、子供たちに大声で言ったのです。

「さあ子供たち、門の外へ出てごらん!お前たちがほしがっていた羊の車や鹿の車、それに牛の車もあるぞ!早く家の外に出て、好きな車に乗って遊びなさい!」

 すると子供たちは先を争って門の外に出たので、炎で崩れそうな家から逃れて安全な場所に移ることができました。そのうえ門の外には、長者の用意した最高級の大白牛車(だいびゃくごしゃ)があったので、子供たちは心から大満足したのでした。

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