仏さまのこばなし |運命的な出会い by Chijo
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仏さまのこばなし

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グリトラクータ童話

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 シャーリプトラ(舎利弗=しゃりほつ)と親友のモッガラーナ(目連=もくれん)の心は、いまだ満たされないでいました。二人はインドでも名高い思想家に弟子入りし、師と同等の論客にまで成長したにもかかわらず、さらなる疑問に答えてくれる師を求めていたのです。

 ある日、シャーリプトラはマガダ国のラージャグリハという町で、アッサジ(阿説示=あせつじ)という一人の出家者に出会いました。そして、その節度ある振る舞いと崇高な姿に心を打たれ、彼の托鉢行(たくはつぎょう)が終わるやいなや駆け寄って尋ねたのです。

「あなたの師はどなたでしょうか?」
「私はブッダを師とし、教えを学んでいます」
「あなたの師はどのような教えを説かれる人ですか?」
「いえ、私のような修行の浅い者がお答えしては、かえってブッダの教えをゆがめてしまいます」

 しかし、砂漠の中を何日も歩いてようやく水場を見つけた思いだったシャーリプトラは、「教えのほんの一端でもかまわないから」と懇願しました。するとアッサジは「ほんの入り口だけでしたら」と、こう答えたのです。

「あらゆるものは原因から生じます。偉大なるブッダはそれらの原因を説き、またそれらの止滅をも説かれます」

 すべてを疑ってかかり、判断を下すことを避けるよう教えられてきたシャーリプトラは、それまで虚無感にさいなまれていました。しかし、この縁起(えんぎ)の道理に大変ショックを受け、喜びのあまりモッガラーナのもとへ走ったのです。そして二人はすぐに二百五十人の修行仲間と共にお釈迦さまの元へ弟子入りし、後には仏教教団の双璧とまでうたわれるようになりました。

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