仏さまのこばなし |消えた白象 by Kouryu
話

仏さまのこばなし

いつそば「我聞の章」

やさしい法華経物語

ウッキ〜くん

妙ちゃん

グリトラクータ童話

image

 王様の自慢はまっ白な象。王様がその白象に乗って街の中を歩くと、街の人々は口々にその姿をほめ称えました。しかし、みんな象のことはほめても、王様をほめる者は一人もいなかったのです。

「象のせいで恥をかいている。崖に連れて行って殺してしまおう」

 王様は象にまたがると、山の険しい崖までやって来て象使いに言いました。

「ここから象を空中に立たせてみろ。命令だ。崖から足を踏み出して、空中に立たせるのだ。それができなければ、おまえは死刑だ」
 今まで象使いは、王様に喜んでもらうことだけ考えて尽くしてきたのに、その考えは大きな間違いだったと気づきました。そして、白象に向かって命令したのです。

「さぁ、崖から足を踏み出すのだ」

 白象は大きな鼻を振り上げながら、一歩を踏み出しました。次の瞬間、王様は目を大きく見開いて息をのみました。白象は一歩一歩、階段を登るように空中へ浮かび上がっていったのです。

 王様と象使いが見続ける中、その姿は雲の中へと消え、再び戻って来ることはありませんでした。

what's newdiscourseseasontalesideadownloadlinkmyoabout "myo"site mapNOEC

HOME

Since 1999, Nichiren-shu Osaka Enlightenment Center. All teachings are opening up.