観心の章 |第23回「託された要法」 by Ryue

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 従地涌出品(じゅうじゆじゅっぽん)において大地より出現した無数の地涌(じゆ)の菩薩=本化(ほんげ)の菩薩たちは、お釈迦さまの前に進み、礼拝し合掌して「仏の滅後に広く人々のためにこの経を説き、自身もまた法華経を受持(じゅじ)します」と法華経宣教の誓いを述べました。

 この誓いの言葉をお聞きになったお釈迦さまは、舌を全世界に広げ、その説くことが真実であることを示し、身体のすべての毛孔(もうく)から光を発して全世界を普(あまね)く照らしました。同時に、仏の分身であるすべての世界の諸仏も光を発し、声を発して天地を震わせました。そして、上行菩薩をはじめとする本化の菩薩に対し、法華経の精髄を宣言されたのです。

「如来が受持している教えのすべて。そして如来の寿命は永遠で、久遠に悟りを開いており、過去・現在・未来にいたるまで常に衆生を導いている事実。そのような仏の大慈悲は、みな法華経の中に(妙法蓮華経の五字として)説き明かしているのだ。

 仏の滅後に法華経を説き広めるものは、仏の教えの由来や順序をよくわきまえ、その意味の通りに真理を語らなければならない。おしえの通り実践すれば、太陽や月の光が、暗闇の世界を取り除くように、人々の心の苦悩を光明で取り除くことができる。その人は無量の菩薩を導いて、ついには一乗の教えを身に着けさせるであろう」

 こうして久遠のお釈迦さまは、如来の使いである本化の菩薩にのみ、入滅後の末法の世における法華経布教を託されたのです。

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