釈尊成道会 |仏になるってどういうこと? by Takochan
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悟るということ

 この悟りの内容については、お釈迦さまご自身が「自分で考え出したのではなく、元からある法を悟ったのだ」とおっしゃっています。宇宙の仕組みから人の心の動き、自らの在り方に至るまで、すべての目に見えるものと見えないものの間に普(あまね)く存在している「法」を、お釈迦さまは悟られたというのです。

image 驚くべきことに仏教経典の中には、現代の天文学者や物理学者たちが提唱している研究成果さえも含まれています。中には宇宙の構造など、一見すると現代科学のそれとは異なる表現もありますが、その根幹(こんかん)を注意深く解釈すれば、不思議なくらい先進的で広大な視野であることが分ります。特に仏教を人間の心理を扱う分野として見た場合、現代の心理学はお釈迦さまの遥か後方を歩んでいるとさえいえるでしょう。

 たった一瞬の想いさえも人の心に目まぐるしい動きを生み出し、自分自身や他人、そして環境に対して三千通りもの影響を与え、また数々の反響を生み出していく……。お釈迦さまの悟りの内容は、中国の天台大師や日本の伝教大師により、法華経に基づくこうした「一念三千(いちねんさんぜん)」という理論で体系づけられました。そして、これをさらに実践的な法門である「唱題(しょうだい=お題目をお唱えすること)」として確立されたのが日蓮聖人です。

 今日では様々な研究によって明らかになった自然の法則から、現象として見ることの難しい心の動きまで、すべてを統合するこの理論。日蓮聖人はその実践方法を自らのご生涯をかけて、生きざまや書物によって私たちに示して下さいました。つまり、いくら完全無欠の法を悟ったとしても、自らが実践し他人へと伝えることがなければ、本当にお釈迦さまの願いや慈(いつく)しみの心を理解したことにはならないのです。

 仏法とは決してお釈迦さまが考え出されたものではなく、またお釈迦さま以外は誰も理解できないような内容でもありません。法華経に説かれている通り、大切なのは「私たちもお釈迦さまと同様に悟ることができる」ということであり、法を悟り仏陀(ぶつだ)になることは万人にとって可能なことなのです。

布教の旅

 梵天や帝釈天の願いを聞き入れられたお釈迦さまは、いよいよ布教の旅に出られます。伝記にはこの時の様子が詳しく書かれており、お釈迦さまの説かれる内容を、初めの内は誰一人として理解できなかったそうです。もちろん、その時の説法が非常に高度な内容であったからなのですが、お釈迦さまほどの方なら、なぜ初めはもう少しやさしく説かれなかったのでしょう?

image お釈迦さまは後に、相手の能力や性質・境遇(きょうぐう)、さらに受け入れ態勢に応じて最も適切な説法を行う「対機説法(たいきせっぽう)」という方法をちゃんと用いておられます。しかし「苦行に耐え抜いたおかげで自分こそが悟りに最も近い所にいる」と思い込んでいる人たちなどに対し、まず「本当の悟りとはそれとまったく次元の違うものだ」ということを気づかせ、素直な心で教えを学ばせるために、あえて初めは難解な悟りの内容をそのままお話されたのです。

 様々な仏教経典や伝記を読むと、お釈迦さまは相手に応じてあらゆるテクニックを駆使した説法をするという能力を、悟りを開かれた初めから持っておられたことが分ります。つまり悟るということは単に真理を知ることではなく、同時にそれを伝える能力も兼ね備えるということなのでしょう。それは、その後の生涯を終始布教に費やされ、多くの優秀なお弟子たちを育てられたことからも分ります。

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