節分会 |鬼の正体 by Takochan
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自分の中の鬼

 自分の中の鬼  地獄・餓鬼(がき)・畜生(ちくしょう)といえば「三悪道(さんなくどう)」といって、現世で悪いことをすれば死んだ後に落ちる、とても恐ろしい場所だといわれてきました。つまり、鬼はそうした世界の象徴とされていたわけです。しかし三悪道の意味は、それだけではありません。法華経では「三悪道はすべての人の心の中にあるものだ」と説かれています。地獄とは、自らの身を焼きつくす炎のような怒りの心。餓鬼とは、求めても求めても飽き足らない欲望。畜生とは、物事に執着し分別をわきまえない愚かな心。こうした心が知らず知らずの内に起こり、周囲に嫌な思いをさせたり、後で自分も嫌な思いをしたりということが、日常でもよくありますね。

image さて、こうした心の動きが自分の苦しみの原因となっていると聞けば、誰でも一つや二つ思い当たるふしがあるでしょう。しかし、まったく偶然としか思えないようなこと、たとえば相手に対して悪いことをした覚えがないのに突然非難されたり、また天災の被害にあったりすることまでも、実は私たちの「心の中の鬼」が原因なのです。「まさかそこまで?!」と思われるかもしれませんが、私たちの心が無意識の内に様々な悪い原因を作り、それが縁でつながっているところに「現象として現れる」ことも決して否定できません。

心の宇宙の不思議

 ある種族の「無意識の想い」が一致し、一定の段階に達すると、その種族全体の体型が一挙に変化するということがあるそうです。たとえばここ二十年ほどで、日本人の体型には急激な変化が起こりました。かつては北欧(ほくおう)の人たちにも同じことが起こり、かなり短期間で現在のような長身になったそうです。さらに地質時代と呼ばれるほどの大昔には、森から草原に出たある種のサルの仲間にも、同じことが起こったと発表した学者もいます。個々の想いが、必ず現象となって現れる。良くも悪くも「私たちの心が環境の在り方を決める」というお釈迦さまの教えが、ここにも証明されているのです。

image 法華経を読むと、お釈迦さまの悟られた法が、物理学者のいう「宇宙を支配している法則」を包み込むほど深く広いものに感じられます。日蓮聖人も「自分の心の外に法があると思っている内は、まだ妙法とはいえない」ということをご遺文に示しておられます。心の中の法を知り、心の中の鬼をコントロールすることができれば、お釈迦さまが法華経に説かれるように、私たちが住むこの世界がそのまま仏さまの世界になるはずです。そこはお釈迦さまが「我がこの土は安穏(あんのん)にして」と説かれる通り、天災さえも起りえない安らかな世界となるでしょう。

 成仏つまり「法を悟る」とは、自分の心の中ををよくよく見つめるところから始まります。実際、安穏であるはずの国土を住みにくくしているのは、私たちなのですから……。

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